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"世界の野球"ヒマラヤを北に臨む国ネパールの野球 第28回「スポーツで広げる友好の輪」

2017年6月23日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 最近のネパールでは選挙が多くの人々の関心事となっている。ネパールは2008年に王制から連邦共和政に移行し、2015年には新憲法が公布された。今回の選挙は、新憲法で再編成された各地方自治体の首長や副首長などを選ぶ選挙である。ネパールでは内戦などの影響もあり、地方選挙が行われるのは20年ぶりとなる。新憲法の規定で、来年1月までに、市町村、州、連邦の3つのレベルの選挙が行われることになっており、今回はその第一段となる。投票日は州によって5月14日か6月14日のいずれかであった。

 新憲法に反対する住民が投票ボイコットを訴えたり、投票当日には不正行為(他投票所での二重投票など)防止のため、一般の車両はバス・タクシーも含め走行不可という措置がとられるなど混乱はあったようだが、投票は無事終了。ただ、開票作業は1週間以上掛かったようである。

 ネパールの野球関係者も選挙期間中は慌ただしく動いているようで、「選挙に手を取られて、なかなか野球の事に手が回らない」と話しており、野球関係の活動が進んでいないのが現状である。選挙が落ち着くまで、歯がゆい思いもあるが、これまで住民が選んだトップの不在が震災復興の妨げになっているとも言われているので、選挙後、ネパールが良い方向に向かっていくことを願っている。

 あまり望ましい事ではないが、スポーツは時として政治の影響を受ける。オリンピックでも東西冷戦時代には多数の国がボイコットした大会もあるし、先般パキスタンで行われた第13回BFA西アジア野球大会でインドチームにビザが発給されず不参加となったのも記憶に新しいところである。ネパールでも数年前までは2つのオリンピック委員会の存在が問題となっていた。

 現在、ネパールではスポーツ評議会が唯一の政府公認の組織としてネパールのスポーツを統括している。ネパールオリンピック委員会もネパール野球ソフトボール協会もスポーツ評議会の傘下にある。ネパールの法律では、全てのスポーツイベントはネパールスポーツ評議会の許可を得る必要があるとされている。また、今後ネパールでのグラウンド建設を進める上では、地元自治体との関わりも避けて通れない。ネパールの野球発展のためには、野球が政府や地方自治体の理解を得ることもひとつの重要な要素である。

 ただ、スポーツと政治の関係は負の面ばかりではない。政治的に対立していても、スポーツが切っ掛けで友好が深まることもある。元サッカー日本代表主将の宮本恒靖氏がボスニア・ヘルツェゴビナで行なっている「マリモスト」(※注釈参照)の活動もその良い例であろう。

 7月には台湾で2年に1度のアジア野球連盟の総会が開催され、私も出席する。現在、アジア野球連盟には24の国と地域が加盟しているが、アジアにはまだ未加盟の国もある。これからも加盟国が増えることを望んでいるし、野球に限らず、スポーツの力によって友好の輪が広がり、様々な問題の解決になればと思う。そういった意味では、オリンピックは世界中にスポーツの力を示すことができるひとつの大きなイベントである。オリンピックはスポーツの祭典であると同時に平和の祭典とも言われている。2020年、野球の復活もある東京オリンピックが大いに盛り上がり、世界に友好の輪が広がることを期待している。

※注釈「マリモスト」
1995年の内戦終結後も根強い民族対立が続くボスニア・ヘルツェゴビナにおいて、スポーツを通した民族融和を目的として、スポーツアカデミーの設立を目指すプロジェクト。「マリモスト」とは現地の言葉で「小さな橋」という意味。

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