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"野球の未来へ" 渡辺元智氏が語る「野球の未来」

2016年9月27日

 台湾で行われた「第11回BFA U-18アジア選手権」を見事優勝で飾った侍ジャパン高校代表。今回は、かつて高校日本代表の監督を3度(1994年、2004年、2011年)務めた渡辺元智氏(横浜高前監督)に、野球界の現在・未来、侍ジャパンの意義、国際試合だからこそ得られることなどを聞いた。

“個”は大勢の中でこそ輝く

―――50年の指導歴の中で、環境や選手の気質など最も変わったことは、どのようなことでしょうか?
「50年もやっていれば、様々なことが180度変わりましたよ。(指導を始めた頃は)水を飲むな、肩を冷やすなという(今と真逆の)時代ですから。また、昔は短足で農耕民族の体型ばかりでしたが、今は欧米の文化が入り、足の長い選手が多くなりましたね」

―――そうした時代の移り変わりの中で良くなっている面、反対に危惧している面はどのようなことでしょうか?
「技術的にはものすごく進化しています。見てもらえれば分かるように、世界と戦える選手が増えました。ところが心、日本の1番の特徴である精神面はどうかな?、と。これは少し“個の時代”になってきている。でも個っていうのは大勢の中にあってこそ輝くんですよ。個のために、個のためにとやっていると失敗します。個を光らせるためには、チームワークが必要なんです。その面で不安定な部分がまだまだあるかと思います」

死に物狂いで野球をやっているのか

―――選手たちに常に考えてもらいたいことはどんなことでしょうか?
「今の子どもにとって、戦争は遠い世界でしょうが、沢村栄治さん(元巨人/享年27)だとか、戦地で散った方々がいて今の私たちがあるんだという歴史を知ってもらいたい。そうするとボール1つでも大事にしますよね。(指導者の方には)感謝するということを、野球を通して教えて欲しい。オリンピックを見ても、親や仲間に感謝という言葉がよく出てきていますし、それをやはり(野球をしている子どもたちにも)実践してもらいたいです。人間ひとりでは生きていけていけない。特に野球はそれが凝縮されているスポーツだと思います。だから、野球を通して礼儀などを含めた人間教育をしてもらいたいです」

―――監督の立場を離れた位置から見た野球界で感じることはありますか?
「楽しくやっているのもよいのですが、ひとつこう見てますと、一生懸命はやっているが、死に物狂いでやっているのかな?と疑問に思うことがあります。全力疾走とか声を大きく出すとか、もうひとつかなと思うことはありますね。良い習慣を身につけておけば、いざという時に役立ちます。休養ももちろん良いですよ。ただ、やっている時は、死に物狂いでやらないといけない。昔の言葉を借りれば、“限界へのトライ”ですよ。それがあって初めて飛躍があるので、一生懸命だけではいけません。みんな“一生懸命やっています”と言いますが、果たしてどこまで突き詰めてやっているのか」

野球をより身近なものに

―――子どもたちに野球以外、スポーツ以外の選択肢も増えてきている中で、野球に憧れてもらうには、どんなことが大切だとお考えですか?
「やはりプロの人たちが子どもたちに指導してもらうとか、野球をより身近なものにして欲しいですね。大変失礼ですが、プロの人はオフの期間に体のケアをしなくてはいけない。でも、そのオフをもうひとつまた子どもたちのために動くこともしてもらうと、もっともっと底辺が広がると思いますね。 やはり上に立つ人は常に底辺のことを考えなくてはいけません。それが野球の発展に繋がる。もちろん今も最高に良いですよ。でも下を見ると、野球人口が減ってきているわけですから」

―――その中で侍ジャパンの意義や大切なことはどんなことになるでしょうか?
「過去の経験からですね、やはりJAPANのユニフォームを背負って戦うからには、日本のために戦わないといけない。国際試合というのは選ばれたら、もちろん嬉しいですよ。でも、それだけではいけない。勝利至上主義ではありませんが、勝つことでいろんなことを得られる。チームワークが必要、個の力も必要、コンディションも整えなければいけない。あらゆるものが備わって勝てるわけですから、勝つために何をするべきかを真剣に考えてもらいたい。その中で負けても、それは勝ちかもしれない。あらゆる努力もしないで負けたら、それは敗北者ですよ。あらゆる努力をして戦った末に、勝ち負けの意義が出てくるんです。そこで勝てば、さらにさらに光るものがあります」

―――国際試合ならではの、得られるものはどんなことでしょうか?
「風土の違う相手と戦うことですね。日本でも風土が違うところは北海道から沖縄まで様々ありますよ。それが、まして国際戦となれば、イデオロギーがみんな違うじゃないですか。韓国は国を挙げて戦いますし、台湾はどちらかというと個を売りたい、メジャーに行きたいと(いう野球の印象)。そこで勝つのは本当に難しいですが、日本を代表して、JAPANのユニフォームを着て戦う誇りを持って戦ってもらいたいです」

(2016年8月、侍ジャパン高校代表壮行試合前にて)

渡辺 元智氏プロフィール

渡辺元智(わたなべ もとのり)
1944年11月3日生まれ。神奈川県出身。
横浜高の監督として甲子園で通算51勝(優勝5回)を果たし、2015年夏に勇退。現在は横浜高の終身名誉監督を務める。

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