

投手の条件
投手は、身体の大小は問題ではありません。投手は肩の強いことが第一条件であり、手首、腕、腰、足の強さ、柔軟な肉体と、筋肉が柔らかくムチのようなバネをもっていることが大切です。
近代野球では、試合の勝敗の70〜80%は投手が決定づけると言われています。
まず、先発した投手はパーフェクトゲーム、さらに安打を打たれたら、シャットアウトにおさえることをねらいます。投手は常に挑戦的で冷静でいやらしく、かつ攻撃的に打者を威圧しなければなりません。
投手の良し悪しは、下半身にかかっているため、ランニングをたくさんすることが大切です。スタミナアップはもちろん、足腰の強化とバランスアップにもつながります。
投手のキャッチボール
近年、投手の肩は消耗品という考え方がありますが、大切なのは投手は無駄な球を投げないことです。投手が投げる球にはそれぞれ意味がなければなりません。投手のキャッチボールは肩が出来ればよいというわけではありません。最初は自分のフォームをチェックしながら、ゆったりとした大きなフォームで投げます。身体を順序よく使えているかどうか、また全身を合理的に使えているかどうかを確認します。リリースポイントをチェックするためには相手の左肩(左投手は右肩)を目標に投げます。これが実際マウンドに立ったときのコントロールの基本になります。キャッチボールの終盤では、フットワークを使った近距離でのスナップスローを行うと効果的です。ヒジと手首を柔らかく使い、指先が相手の胸に向くようにするとコントロールしやすくなります。
ピッチング
投手にとってもっとも大切なことは、コントロールと打者に向かっていく闘志です。ボールのコントロールはもちろん、心身、感情のコントロールも必要です。それに加え、「自分はこのボールで打者を抑える」という積極的な考え方が不可欠です。そのためには投球動作はすべてバランスがとれ、安定したリズムとタイミングを保っていなければなりません。
フォーム
理にかなったフォームは身体を痛めることが少ないようです。理にかなったフォームとはバランスよく順序通り身体を使うことです。投球のエネルギー源は下半身です。下半身から腹筋・背筋を通じて肩へ、肩から前腕へとエネルギーが伝わっていきボールに威力を生みます。身体の使い方が正しく合理的になるほど、身体の無駄な力がぬけてバランスのとれたフォームになります。これが身体をムチのように使っているといわれる状態で、力みのない投球フォームです。

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- 左足を上げてテイクバックにはいるとき、バランスを崩さない範囲でより高く上げるのが理想です。足を高く上げることによりパワーが生じ、ボールに力が加わります。軸足のヒザ、頭が一直線になるように左足を上げ、右足の親指のつけ根に体重がかかるようにします
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- 体重を平行移動しながらステップにはいります。体重移動はヒザから行われ、ボールを握った手の甲が上を向いています。リードする左の腕(グラブを持っている腕)は肩の高さまで上げるのが理想です。
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- ボールを持っている腕のヒジは肩の位置まで上げます。踏み出す前足は投げる方向にまっすぐ着地すれば力強さが生まれます。
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- 体重を移動しながら右腕がトップにはいったとき、着地した身体はまだ横を向いています。着地は内側から足の裏全体で下ろすようにします。そのとき、指先が開かないことが条件です。
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- 捕手のミットから目を離さないで、踏み出した左足のヒザの外側に向かって腕を振り抜きます。フォロースルーが終わった後、打者に正対して守備体勢をとります。
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- 内側から足全体をおろすようにします。前足を踏み出すときは、自然体で腰から平行移動することが大切です。踏み出す足は投げる方向にまっすぐです。
球種
すべての球種はコントロール、変化、スピードの三要素によって分類されます。もっとも重要なのがコントロールで、ボールの変化、スピードの変化も大切です。
投手にとって最大の武器は速球です。速球の投げ方はバランスのよいフォームで、練習や試合で数多く投げることで利き腕が自然と強くなりボールも速くなります。コントロールとボールの変化は練習でマスターできます。同じストレートでもスピードの変化をつけることで打者は苦労します。
- カーブ
主として中指に力をいれ、人差し指は柔らかくボールに添えて握ります。親指はリリースの瞬間にはね上げます。この時、手の甲が打者を向くようにしますが、ストライド(足の踏み出し)の幅を5p程度縮めたイメージだと投げやすくなります。同じカーブでもボールの握りを変えることでスピードの変化、曲がりの大きさを調整することができます。ストレートと同じように腕が振れるように練習しましょう。
- スライダー
ストレートの握りを少しずらしてリリース時にボールを長く持つ感じで、つまむようにボールをすべらせます。右投手の場合、グラブを左脇に納め右腕が左サイドと交差するような感覚で腕を振ります。
- シュート
ボールの縫い目の一番狭い部分に人差し指と中指をのせます。投球動作中は腕の振りを遅らせるイメージで、そしてリリースの瞬間、左肩を一気にひらいて腕を鋭く振ります。
- シンカー
人差し指に一番力をいれ、次に親指に力をいれます。中指はあまり利かせません。リリースの直前(ボールが身体の前にきたところ)、ボールは内側にしかも下方にねじられます。このため手の甲が自分を向きます。
- フォークボール
人差し指と中指でしっかりとボールをはさみ、親指はボールの下に軽くそえておきます。この握りでストレートと同じように腕を振りぬきます。軸足のケリを遅らせると威力が増します。フォークボールを覚えるためには何ヶ月も前から人差し指と中指でボールをはさむ練習をしましょう。
- チェンジアップ
打者のタイミングを崩すにはもっとも有効なボールです。人差し指を曲げ、親指の下に入れ、OKサインを作り中指と薬指は縫い目に添えます。速球と同じ腕の振りから、リリースの瞬間、手首を固定したままできるだけスナップは使わず、天井から吊るされたヒモを引っ張るように腕を振ります。できるだけ軸足のケリを遅らせるのがポイントです。
- ツーシーム
ボールの縫い目の一番狭い部分を縦または横に握り、人差し指と中指をのせます。直球と同じくスナップをきかせて腕を振りぬき、二つの縫い目の回転を利用してボールを変化させます。
塁上に走者がいるときの注
塁上の走者は投手の投球リズムをはかってスタートをきります。投手はセットポジションから安定したリズムで投球することが大切になりますが、一旦走者を背負うと、一定した投球リズムはかえってマイナスになります。投手は投球リズムを変え走者のスタートのタイミングを崩さなければなりません。足の速い走者が塁に出たら、走者をよく見る(目で抑える)ことが肝要ですが、ケン制球を2度、3度投げて投球のタイミングを変えることも重要です。
投手の守備
速い打球のときはグラブではたき落とします。緩い打球やバント処理のときはグラブの芯で捕球します。無理な態勢からの送球は肩やヒジの故障につながります。捕球したら素早く送球する体勢をつくる練習をしましょう。守備の基本は、「捕球して」、「目標を見て」、「送球する」の順です。忘れないようにしましょう。打球が内野の一塁方向に飛んだ時は、自動的に一塁の方に素早くスタートし、一塁ベースをカバーしましょう。(ベースは右足で踏むのが基本です)
その他の注意
- 勝ち急ぎ
ゲームの終盤になると打者との勝負を急いで打たれるケースがよくあります。早く結果を出したいという気持ちが強いからです。ゲームの終盤になっても気迫とともに慎重さを失ってはいけません。
- 慎重になり過ぎる
コースを狙いすぎて先頭打者を歩かせたり、一点とられてもいい場面なのに一点もやれないときのようなきわどい球を投げて塁上に走者をため、大量点の原因をつくったりします。投手はつねに慎重さが要求されますが、慎重になり過ぎると思わぬ結果になります。
- 油断
逆に、下位打線だからとか打者の調子が悪そうだからと思いこんで簡単にストライクを取りにいき痛打されることもあります。ポンポンと簡単に二死をとってホッとして長打力のない打者を四球で歩かせ、次の打者にホームランを打たれるシーンを何度も見てきました。投手にとって油断は禁物。「一息つくのはベンチに帰ってから」
- ゲームの展開を読む
点差が開いたゲーム展開のときには、味方の守備リズムを乱し大量点につながる四球に注意することです。初球からストライクをとり、有利に投球しましょう。終盤に入りクロスゲームのときは、長打に気をつけ丁寧に低めをつき、緩い球を近めに投げないことです。
- 自分の果たす役割を考える
どうすればチームがゲームに勝てるか、そのためには投手である自分が何をすればよいのかをつねに考えます。野球は一球ごとに、一死を取るごとに、一回ごとに状況が変わります。状況に応じて自分の果たす役割に集中しましょう。
- 失敗を恐れない
野球は確率のゲームです。投手が投げたこの一球で絶対に三振をとれる保証はありませんし、必ずヒットを打たれるというわけでもありません。つまり10割バッターは存在しませんし、毎回パーフェクトゲームのピッチャーもいません。より確率の高い結果がでるよう最善をつくすのが野球です。結果ばかりを気にしていると自分本来の力が出せないばかりでなく、チームの敗戦という最悪の結果につながります。 ブルペンでは最高の球を投げるのに実際のマウンドに上がると萎縮してしまう投手がいます。ブルペンでは打者がいないので打たれる心配がなく、マウンドでは打たれるかもしれないと悪い結果ばかり想像しているからです。失敗を恐れずつねにベストを尽くすことを念頭においてプレーしましょう。大切なことはひたすら打者に向かっていくという気迫です。自分のやるべきことをしっかり把握して日頃の練習からゲームを想定して取り組みましょう。さまざまなプレッシャーに打ち勝つには対策と準備が必要です。
- ベストボール
最も大切なことは、投手自身で考えることです。今日の自分のベストボールはどの球であるかを早く知ることです。その日の調子によって、いつも同じ球とはかぎりません。その日のベストボールを最大級に生かしてピッチングを組立てるようにしましょう。